ホーチミンでカオラウならここ一択。10区の路地裏「Cô Ba Ân」が本場超えの美味さ

ベトナム、ホーチミンシティ。 気温30度を超える熱気の中で食べるローカルフードは、なぜこれほどまでに食欲をそそるのでしょうか。

フォーやバインミーなど、日本でも有名なベトナム料理は数多くあります。しかし、もしあなたが「ベトナム料理の中で一番美味しいものは何か?」と問われたら、私は迷わずこう答えます。

「それは、カオラウ(Cao Lầu)だ」と。

かつてダナンに滞在していた時期、毎日のように食べ歩いてその魅力に取り憑かれました。あの甘じょっぱいタレと、うどんにも似たコシのある麺。 しかし、本場は中部ホイアン。ここ南部ホーチミンでは、納得のいくカオラウに出会うことは難しいと思っていました。

そんな中、見つけてしまいました。 ホーチミンのローカルエリア、10区の路地裏に潜む名店「Cô Ba Ân – Cao lầu Hội An」。

今回は、味はもちろんのこと、ITエンジニアとしても少し感動した「お店の仕組み」も含めて、この隠れた名店を詳細にレポートします。

カオラウ(Cao Lầu)とは?なぜそこまで推すのか

本題のお店に入る前に、少しだけ前提知識を共有させてください。 「カオラウ」という料理、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。

カオラウは、ベトナム中部の世界遺産の街、ホイアンの郷土料理です。 最大の特徴は、「伊勢うどん」にルーツがあるとも言われる、独特のコシと風味を持つ太麺。これを、チャーシューの煮汁をベースにした甘辛いタレ、たっぷりのハーブ、そして揚げたライスペーパー(または揚げ皮)と一緒に和えて食べます。

汁なし麺の一種ですが、日本のまぜそばとも違う、奥深い味わいがあります。 これをホーチミンで、しかも高いクオリティで食べられる場所はそう多くありません。

10区の路地裏へ:たどり着くまでの「冒険」

今回紹介する「Cô Ba Ân」があるのは、ホーチミンの10区。 観光客が多く集まる1区(中心部)からは、車やバイクで20〜30分ほどの距離にあります。

10区は、いわゆる「ローカルエリア」。観光地化されたレストランよりも、現地の人々が日常的に通う安くて美味しい食堂がひしめき合っているエリアです。

お店の住所は「387/12 Cách Mạng Tháng Tám」。 ベトナムの住所に詳しい方ならピンとくるかもしれませんが、スラッシュ(/)が入っている住所は「ヘム(Hẻm)」と呼ばれる路地裏を意味します。

大通りである「Cách Mạng Tháng Tám」から一本中に入るのですが、ここが少し分かりにくい。

Googleマップを頼りに進むと、喧騒から少し離れた静かな一角に、黄色い壁のかわいらしいお店が現れます。 正直、初見では「本当にここに店があるのか?」と不安になるレベルの隠れ家感ですが、それもまたベトナム・グルメ探索の醍醐味です。

店内の雰囲気:ホーチミンにいながらホイアンを感じる

一歩足を踏み入れると、そこは別世界でした。 外のバイクの騒音が嘘のように、落ち着いた空気が流れています。

ホイアンの街並みを象徴する「ランタン」が飾られ、黄色を基調とした内装がノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。 ベトナム中部の古都ホイアンは、夜になるとランタンの灯りで幻想的な景色になりますが、そのエッセンスをうまく取り入れていますね。

看板のデザインもモダンで洗練されています。 ローカル食堂というと、衛生面や雰囲気に少しハードルを感じる方もいるかもしれませんが、このお店は非常に清潔感があり、女性同士やカップルでの利用も全く問題ないでしょう。

店内風景

意外なハイテク化?エンジニアが喜ぶ「注文システム」

さて、席に着いて私が密かに感動したのが、このお店のオーダーシステムです。

通常、ローカル店での注文といえば、店員さんを大声で呼ぶか、指差しで伝えるのが一般的。ベトナム語が話せないと、細かいカスタマイズや注文ミスへの不安がつきまといます。

しかし、この「Cô Ba Ân」では、テーブルにあるQRコードをスマホで読み込んで注文するスタイルを採用していました。

注文画面
  1. 席に座り、QRコードをスキャン。
  2. スマホの画面にメニューが表示される(写真付き)。
  3. 好きなメニューを選んで送信。

これは合理的です。 言葉の壁をシステムで解決している。店員さんもオーダーを取りに行く手間が省け、配膳と調理に集中できます。 もちろん、店内には無料Wi-Fiも完備されていました。

「最初はオーダー方法が分からない」という戸惑いはあるかもしれませんが、一度分かってしまえば、外国人にとってはこれほどありがたい仕組みはありません。 2026年の現在、ベトナムの都市部ではこうしたDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいますが、路地裏の個人店レベルでしっかり導入されている点に、オーナーの「効率化」と「顧客体験向上」への意識を感じます。

実食:カオラウスペシャル(68K VND)

私が注文したのは、看板メニューの「カオラウスペシャル(Cao lầu đặc biệt)」。 価格は68,000 VND(約400円前後 ※レートによる)。ローカルの麺料理としては少し強気の価格設定ですが、運ばれてきた実物を見て納得しました。

1. 圧倒的な「肉」のボリューム

まず目に飛び込んでくるのは、麺を覆い尽くすほどの具材。 分厚いチャーシュー、サクサクの揚げ皮、そして揚げ春巻きのようなトッピング。 「肉が多くて満足」という感想は間違いありません。単なる麺料理というより、肉料理を食べているような満足感があります。

2. 甘塩っぱいタレと極太麺のハーモニー

肝心の味ですが、これが求めていた「あの味」でした。 底に溜まったタレを、麺と具材によく絡ませてから一口。

うまい。

醤油ベースに少し甘みを加えた、日本人好みの「甘塩っぱい」タレ。 それが、うどんのような極太麺にしっかりと絡みつきます。麺はモチモチとした弾力があり(コシがあり)、噛むほどに小麦の香りが広がります。

3. 食感のコントラスト

カオラウの真骨頂は「食感」にあります。 もちもちの麺、柔らかいチャーシュー、そしてカリカリに揚げられた四角い生地(揚げ皮)。 これらを口の中で同時に噛み砕く時の楽しさ。 途中で野菜(ハーブ類)の爽やかさが加わり、味が濃いめなのに最後まで飽きずに食べられます。

ダナン滞在中に食べた本場の味と比較しても、全く遜色がありません。 むしろ、具材の豪華さや丁寧な仕事ぶりを考えると、こちらの方が洗練されている印象すら受けました。

同行者の反応:カオラウ初体験でも高評価

今回は、カオラウを食べるのが初めてという同行者と一緒に訪れました。 ベトナム料理=フォーというイメージを持っていたようですが、一口食べて驚いていました。

「これ、フォーより好きかもしれない。またリピートしたい」

その言葉を聞いて、自分のことのように嬉しくなりました。 日本人にとって、醤油ベースの味付けやコシのある麺は、フォーのあっさりしたスープよりも親しみやすいのかもしれません。カオラウというジャンルが、ベトナム料理の中でナンバーワンになり得るポテンシャルを秘めていることを再確認しました。

「Cô Ba Ân」の良い点・注意点まとめ

ここまでの内容を、エンジニアらしく論理的に整理しておきます。

良い点(Pros)

  • 味の再現度が高い: ホイアン現地の味を忠実に、かつ豪華に再現している。タレの甘辛バランスが絶妙。
  • 麺のコシ: 食べ応えがあり、ランチとしての満足度が高い。
  • システム化された注文: QRコード注文により、言語の壁や注文ミスが防げる。Wi-Fi完備も高評価。
  • 雰囲気: ホイアン風のランタン装飾があり、旅行気分が味わえる。清潔感がある。

注意点(Cons)

  • 場所の難易度: 大通りから一本入るため、地図アプリ必須。最初は見つけにくい。
  • システムの初見殺し: QR注文の説明が(ベトナム語のみなどで)分かりにくい場合、最初は戸惑う可能性がある。

総評:わざわざ行く価値のある一皿

中心部から少し離れているとはいえ、Grab(配車アプリ)を使えば容易にアクセスできる距離です。 観光客向けの味付けではなく、現地の美食家たちを唸らせる「本気のカオラウ」を食べたいなら、ここまで足を運ぶ価値は十分にあります。

特に、「ベトナム料理は好きだけど、パクチーたっぷりのスープ麺ばかりで少し飽きた」「もっとガッツリした麺が食べたい」という方には、最適解の一つと言えるでしょう。

自由な生活を目指す中で、美味しい食事は欠かせないエネルギー源です。 効率的なシステムと、職人のこだわりが詰まった一杯。 ホーチミン滞在中のリストに、ぜひ加えてみてください。

店舗情報

Cô Ba Ân – Cao lầu Hội An

  • 住所: 387/12 Cách Mạng Tháng Tám, Phường 13, Quận 10, Thành phố Hồ Chí Minh
  • 営業時間: (Googleマップ等で最新情報をご確認ください)
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