退職代行サービス「モームリ」の運営会社社長が逮捕されたというニュースは、現在進行形で退職を考えている方や、かつて代行サービスを利用した経験がある方にとって、大きな衝撃を与えました。
逮捕の容疑は「弁護士法違反(非弁行為)」に加え、弁護士を不適切に紹介して対価を得る「周旋(しゅうせん)」の疑いも報じられています。
ITエンジニアとして「自由な生活」を目指す過程で、私もかつてブラック企業からの脱出に退職代行(弁護士)を利用しました。今回の事件をきっかけに、改めて「なぜエンジニアこそ、業者ではなく弁護士に直接依頼すべきなのか」という合理的な選択肢について、実体験を交えて深掘りしていきたいと思います。
退職代行「モームリ」社長逮捕の深層。知っておくべき「周旋」の罠
今回のニュースで最も注目すべきは、単なる交渉(非弁行為)だけでなく、提携弁護士から「広告費」などの名目で紹介料を受け取っていた「周旋」が逮捕の決め手となった点です。
多くの読者は「提携弁護士がいるなら安心だろう」と考えがちですが、ここに落とし穴があります。
「提携弁護士あり」に潜むリスク
- サービスの突然の停止: 裏で不適切な金銭授受(周旋)があれば、警察の捜査対象となり、あなたが依頼している最中にサービスがストップするリスクがあります。
- 責任所在の曖昧さ: 業者と弁護士が不適切な関係にある場合、万が一トラブルが起きた際に「どちらが責任を取るのか」が曖昧になり、利用者が置き去りにされる可能性があります。
ITエンジニアが「バグ」のない確実な退職を望むのであれば、仲介業者を通さず、最初から自分自身の判断で信頼できる弁護士事務所の門を叩くのが最も合理的です。
2026年の労働環境:なぜ今、退職代行が必要とされるのか
「退職くらい自分で伝えるべきだ」という意見は根強くありますし、私自身も理想を言えば、最後は自分の言葉で締めくくるのがベターだとは考えています。
しかし、現実はそう甘くありません。特にIT業界のブラックな職場では、論理的な話し合いが通じないケースが多々あります。
- 人手不足を理由にした強引な引き止め
- 「プロジェクトが終わるまで辞めさせない」という根拠のない拘束
- 精神的に追い詰められ、上司の顔を見るだけで動悸がする状態
このような環境下では、合理的な判断力を奪われる前に、システム的に「外部リソース(弁護士)」を活用して退職を完了させることは、エンジニアにとって不可欠な「リスクヘッジ」と言えます。
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【実体験】有給消化中に「顧客MTG」へ呼び出された異常な状況
私が弁護士への依頼を確信したのは、退職の意思を伝えた後の会社の異常な対応がきっかけでした。
当時、私はすでに有給消化に入っていましたが、会社から「顧客との引き継ぎ挨拶のためにMTGに出てほしい」と頼まれました。円満に、という思いから参加したのですが、そこで耳を疑う言葉を社長が放ったのです。
「今後のプロジェクトは、〇〇(私)が責任を持って最後まで対応しますのでご安心ください」
退職が決まって有給消化中である私を、顧客の前で「プロジェクト完遂の責任者」として紹介したのです。その後、社長からは「プロジェクトが終わってから退職すればいい」と、まるで退職合意をなかったことにするような発言がありました。
この時、私は直感しました。「このままでは、論理的な話し合いは不可能だ。法的な強制力を持って介入してもらうしかない」と。

弁護士に依頼する「コストパフォーマンス」は意外と高い
「弁護士は高い」というイメージがありますが、ITエンジニア、特に役職を持っていたり、残業代が曖昧だったりする環境にいる方にとっては、実は最もコスパの良い選択肢になります。
1. 未払い手当や残業代の回収
私の場合、退職に際して「役職手当」などを不当に剥奪されそうになりました。しかし、弁護士を代理人に立てることで、これらをしっかりと回収することができました。
Tips: 手当の剥奪は法的に対抗可能 会社側が「退職する人間には手当を払わない」と独自ルールを押し付けてきても、労働契約に基づいた賃金は全額支払われる権利があります。弁護士費用を払ったとしても、回収できる手当や残業代の方が大きくなるケースは非常に多いです。
2. 「競業避止義務」という名の脅しへの対抗
最近、私の後輩も退職しましたが、転職先が同業(競業)であることを理由に「訴える」と会社から脅されているそうです。
IT業界では「競業避止義務」を盾に転職を制限しようとする会社がありますが、日本の法律上、職業選択の自由は強く守られています。後輩の場合は、転職先の顧問弁護士が対応してくれているそうですが、「バックに弁護士がいる」という安心感は、メンタル面で計り知れないメリットがあります。
【実体験から学ぶ】トラブルを回避するための退職チェックリスト
ITエンジニアがスムーズに、かつ「自由な生活」への一歩を踏み出すために準備しておくべきことをまとめました。
- 就業規則のキャプチャ保存: 退職規定、有給休暇、退職金、競業避止義務に関する条項をエビデンスとして残す。
- 給与明細と勤怠記録の確保: 未払い残業代や手当の計算に不可欠。
- 「辞める」と決めたら直接交渉しない: 感情的なトラブルを避けるため、特にブラック企業相手なら最初の通知からプロに任せるのが合理的。
結論:自由への道は「適切な盾」を持つことから始まる
今回のモームリ社長逮捕のニュースは、私たちが利用するサービスの「裏側」にある不透明なリスクを浮き彫りにしました。しかし、それによって「退職代行」という手段を諦める必要はありません。
むしろ、「トラブルが予想されるなら、最初から周旋などの介在しない、独立した弁護士に依頼する」という、より確実で安全な選択肢を選ぶべきだという教訓になります。
かつてブラック企業で疲弊していた私を救ってくれたのは、間違いなく「法」の力でした。もし今、あなたが不当な引き止めや嫌がらせに悩んでいるなら、自分一人でデバッグしようとせず、専門家という強力なライブラリを直接インポートしてください。
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