今回は仕事での出張ですが、正直に言えば「避寒」の側面も大きいです。 過去の記事でも触れましたが、私は以前、テト(ベトナムの旧正月)前の時期にホーチミンを訪れた経験があります。その時の記憶を頼りに、久しぶりにこの時期のベトナムを訪れましたが、やはり1月のホーチミンは、気候の面では「最適解」だと再確認しました。
しかし、快適な気候とは裏腹に、テト前特有の「社会的な熱気」と、それに伴う「あるトラブル」には注意が必要です。今回は、現在進行形の出張レポートとして、1月のホーチミンの気温、街の雰囲気、そしてエンジニアとして直面した移動の課題についてシェアします。
1月のホーチミンは「避寒地」としての最適解
結論から言うと、日本の寒さが嫌いな人にとって、1月のホーチミンは天国です。 ホーチミンは「常夏」というイメージが強いですが、実は月によって快適度が大きく異なります。
雨季明けの「涼しい乾季」という奇跡
ホーチミンの気候は大きく雨季(5月〜11月頃)と乾季(12月〜4月頃)に分かれます。 11月に雨季が明け、12月から1月にかけては、乾季の中でも「まだ暑くなりきっていない時期」にあたります。
- 平均気温は30度前後: 日本人からすれば十分に真夏ですが、湿度が雨季に比べて低く、カラッとしています。
- 夜風の心地よさ: ここがポイントです。日中は暑いですが、日が沈むとバイクで走る風が涼しく感じるほど気温が下がります。
現地の方に話を聞くと、「これからは徐々に暑くなっていく一方だよ。4月が一番暑いから、今はまだ涼しい方だね」とのこと。確かに、以前4月付近の情報を調べた際、猛暑で日差しが痛いという話を聞きました(私自身は4月の渡航経験はありませんが)。 「これから暑くなる入り口」である1月は、日本人にとって最も過ごしやすいベストシーズンと言えるでしょう。
北部(ハノイ)との決定的違い
もし1月にベトナム行きを検討しているなら、行き先は「南部(ホーチミン)」一択です。 縦に長いベトナムでは、北部と南部で季節が異なります。
| 都市 | 1月の季節・気候 | 推奨される服装 |
| ホーチミン | 夏(乾季)。快適な暑さ。 | 半袖・夏服 |
| ハノイ | 冬。気温が20度を下回る。 | ジャケット・厚手の服 |
「せっかく南国に来たのに寒い」という事態を避けるためにも、1月は南部を選ぶのがロジカルです。
エンジニア的至福:オープンカフェでの作業効率
この時期の最大のメリットは、オープンカフェでの作業が捗ることです。 雨季だと、いつスコールが来るか分からず、常に「屋根のある場所」を確保する必要があります。せっかくの旅行や出張が雨で制限されるのは、時間対効果(タイムパフォーマンス)の観点からも避けたいところです。
しかし乾季の1月なら、テラス席でベトナムコーヒー(1杯数百円という高コスパ!)を飲みながら、数時間PC作業や読書に没頭できます。時折吹く乾いた風が、クリエイティブな思考を助けてくれる気がします。
テト(旧正月)前の街の雰囲気と変化
ベトナムにとって、西暦の正月(1月1日)よりも重要なのが、旧暦の正月「テト」です。 テトの日程は太陰暦に基づくため毎年変わりますが、だいたい1月下旬から2月中旬の間になります。今回の出張はまさにこの「テト直前」の時期と重なりました。
「師走」のようなお祭りムード
街全体がソワソワしており、日本の年末のような独特の空気感があります。 テトに関連したイベントが週末ごとに各所で開催されており、街中が黄色い梅の花(ホアマイ)や赤い飾りで彩られています。この「お祭り前」の高揚感を楽しめるのは、この時期に来た特権かもしれません。

イベント準備の進捗:前回との比較
以前の記事で紹介した際は、テト用のフラワーロードなどの工事がかなり進んでいましたが、今回は「これから本格的な工事が始まる」といった段階のようです。
テトの日程が年によってずれるため、準備のスケジュールも変動します。「完成形」を見ることはできませんが、足場が組まれ、徐々に街が変貌していくプロセスを見るのも、エンジニアとしては「開発中の現場」を見ているようで興味深いものです。

【トラブル回避】テト前のGrab事情と移動リスク
気候や雰囲気は最高ですが、生活面(特に移動)において、テト前には大きな問題が存在します。 それが「Grab(配車アプリ)が全く捕まらない問題です。
なぜテト前は捕まらないのか?
理由は複合的ですが、主に以下の2点が考えられます。
- 飲み会シーズンの到来: 日本の忘年会のように、テト前は宴会が増えます。
- 飲酒運転の罰則厳格化: ベトナムでは近年、飲酒運転の取り締まりが非常に厳しくなりました。以前のように「バイクで来て飲んで帰る」ことができなくなり、全員がGrabを利用するため、需要が供給を遥かに上回ります。
実体験:1時間待ちの末のアナログ解決策
今回(および過去の経験含む)も、夜に食事をした後、ホテルに帰ろうとしてGrabを開きましたが、全くマッチングしませんでした。 通常なら数分で来るはずが、画面はずっと「検索中」。
- 10分経過……来ない。
- 30分経過……来ない。
- 1時間経過……まだ来ない。
アプリ上の「Priority(優先料金)」を使ってもダメでした。 結局その時は、現地に住む友人に連絡し、友人経由で知り合いのGrabドライバーに直接電話してもらい、迎えに来てもらうという、ITエンジニアらしからぬ超アナログな方法で解決しました。もし友人がいなければ、路頭に迷っていたかもしれません。
旅行者が取るべき対策
テト前の1月にホーチミンを訪れる際は、以下の対策を強くおすすめします。
- 時間帯をずらす: 宴会が終わる21時〜22時頃は激戦区です。早めに帰るか、逆に深夜まで粘るか。
- 複数アプリの併用: Grabだけでなく、Be(ビー)やGojek(ゴジェック)もインストールしておく。
- 心の余裕を持つ: 「捕まらないものだ」と割り切り、近くのカフェで待機する時間をスケジュールに組み込んでおく。
余談:それでも私は1月のベトナムにいたい
いくつか不便な点はありますが、個人的には1月、2月は日本ではなくベトナムにいたいというのが本音です。 やはり「寒くない」というメリットは、他のあらゆるデメリットを上書きするほどの価値があります。
ただし、テト期間中(祝日当日とその前後)の旅行はおすすめしません。
- 航空券が高騰する: 帰省ラッシュで価格が跳ね上がります。
- 店がやっていない: 皆が田舎へ帰るため、ホーチミン市内のお店(特に個人店)はシャッター街になります。旅行者にとっては食事場所にも困るレベルです。
もし旅行を計画するなら、テトの日程を外し、その「直前」か「少し落ち着いた後」を狙うのが、コスト的にも体験的にも賢い選択です。
まとめ
1月のホーチミン出張で感じたポイントをまとめます。
- 気候は最高: 平均気温30度、夜は涼しい。雨が降らないベストシーズン。
- 雰囲気: テト前の活気とイベント準備の様子が楽しめる。
- 移動リスク: 飲み会需要とドライバー不足でGrabが捕まりにくい。余裕を持った行動を。
- 服装: 現地は夏服でOK。ただし、帰国時の日本の寒さに備えてウルトラライトダウン等は必須(空港を出た瞬間に風邪をひきます)。
これからホーチミンへ行かれる方は、配車アプリの準備と、帰国時の防寒対策を万全にして、常夏の正月ムードを楽しんできてください。
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