GWや連休にベトナム・ホーチミンへ行く方、あの悪夢のような入国審査の長蛇の列を少しでも早く抜けたいと思いませんか?
到着早々、すし詰めのエリアで40分〜1時間以上も待たされるタンソンニャット国際空港の入国待ち。かつてブラック企業で無意味な待機時間を強要されていた頃の記憶が蘇るほどの苦痛ですが、ついにそのペインを解消できるかもしれない制度がスタートしました。
在ホーチミン日本国総領事館の発表によると、4月半ばよりホーチミン限定で「入国の事前申請システム」が導入されたとのこと。今回は、実際に私がシステムにアクセスして判明した「申請時の落とし穴(UIの罠)」や、ITエンジニア視点での懸念点について、一次情報を交えて徹底解説します。
タンソンニャット空港の入国事前申請とは?
まずは制度の概要を簡単におさらいします。
参考情報 在ホーチミン日本国総領事館:ホーチミン市における入国事前申請についてhttps://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01123.html
このシステムは、旅行者が事前にスマホやPCから個人情報・パスポート情報などを申告しておくことで、入国時の手続きをスムーズにするためのものです。現状は「必須」ではなく「任意」のようですが、登録しておけば審査時間の短縮が期待できます。
※実際の事前申請システムのトップ画面。「到着前情報の作成と提出」から進みます。
【実体験】実際に事前申請サイトを使ってみて判明した2つの落とし穴
「システム化されたなら簡単だろう」と高を括って実際にアクセスしてみたところ、いかにも海外の急造システムらしい、いくつかの「罠」が潜んでいました。これから申請する方は、以下の2点に注意してください。
落とし穴1:ブラウザの翻訳機能が使えない?言語設定の罠
サイトにアクセスした直後、画面はすべて英語(またはベトナム語)で表示されます。
私は普段、海外サイトを利用する際はGoogle Chromeなどのブラウザ標準の「日本語翻訳機能」を使って効率化しているのですが、なんとこのシステム上では翻訳機能がうまく動作しませんでした。
「まさか全て英語で解読しながら入力するのか?」と一瞬焦りましたが、ご安心ください。
画面の右上をよく見ると、小さく国旗のアイコンがあり、そこから「JA(日本語)」を選択することで、システム自体を日本語表示に切り替えることが可能です。


自動翻訳に頼る癖がついていると意外と見落としがちなポイントなので、まずは右上の言語設定を変更してから入力に進みましょう。

落とし穴2:「ビザの種類」はどれを選べばいい?
個人情報やパスポート番号などを順調に入力していくと、終盤で最大の難所が待ち構えています。それが「ビザ情報」の入力欄です。
入力フォームでは「ビザの種類/目的」が必須項目(赤いアスタリスク)になっているのですが、ドロップダウンリストを開くと以下のように専門用語がズラリと並びます。
- ビザ免除証明書
- 電子ビザ(E-Visa)
- APEC・ビジネス・トラベル・カード(ABTC)
- 二国間免除
- 一国間免除
- 国別のデフォルトビザ免除
- ……など

日本のパスポートを持っている場合、45日以内の観光滞在であれば「ビザなし(免除)」で入国できることは広く知られていますが、この選択肢の中でどれが「一般的な観光客のビザなし入国」に該当するのか、非常に分かりにくいUIになっています。
結論から言うと、事前にE-Visaを取得していない一般的な短期旅行者の場合は、「一国間免除」または「国別のデフォルトビザ免除」のどちらかを選択するのがシステム上は自然だと推測されます。(※日本のパスポートに対するベトナムのビザ免除は、ベトナム側が一方的に認めている措置のため「一国間」に該当します)。
ただ、どこにも明確なヘルプやガイダンスがないため、ここで手が止まってしまう旅行者は非常に多いはずです。入力に不安がある場合は、事前にE-Visaを取得して「電子ビザ(E-Visa)」を選択するのが最も確実なルートかもしれません。
エンジニア視点で考察する、GW渡航者が注意すべき懸念点
システムのUIにも難がありますが、運用面に関しても手放しで喜べない懸念点があります。
それは「事前申請を済ませた人向けの専用レーン」が物理的に用意されているのか?という問題です。
いくらバックエンド(裏側)のデータ連携が構築され、窓口での処理が数秒短縮されたとしても、事前申請をしていない大多数の旅行者と同じ長蛇の列に並ばなければならないのであれば、全体のボトルネックは解消されません。
Twitter(X)などで現地のリアルタイムな状況を検索してみると、まだ始まったばかりということもあり、運用が混乱している様子もうかがえます。
X(旧:Twitter)で「ホーチミン 事前申請」で検索
直近の大型連休(GWなど)で渡航される方は、このシステムによる「劇的な混雑緩和」を過信せず、従来通り「空港を出るまでに1時間以上はかかる」という前提で、送迎やその後のスケジュールを組んでおくのが安全です。
まとめ:不確実性を楽しむのもベトナムの魅力
急遽スタートしたホーチミンの入国事前申請システム。IT化によって私たちの移動時間を節約しようという試み自体は、自由な時間を最大化したい私としては大歓迎です。
しかし、システムの使い勝手(UI/UX)や現場の運用フローは、まだ過渡期にあると言わざるを得ません。ベトナムではこのように「とりあえずシステムを作ってリリースし、運用しながら修正していく」というアジャイル的な動きがよく見られます。
事前に登録できる方はぜひこのシステムを試し、少しでもスムーズな入国を目指してみてください。そしてもし現場で想定通りにいかなかったとしても、それも「急成長するベトナムの熱気」の一部として楽しむ余裕を持っていたいですね。
当ブログでは、引き続き現地での運用実態やシステムのアップデート状況をウォッチしていきます。新しい情報が入り次第追記しますので、渡航前にはぜひ最新情報をチェックしてみてください。

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