【月200HのSESを脱出】ベトナムで確信したAI時代のエンジニア生存術

先日、いつものように日本からベトナムの開発チームとオンラインで定例MTGをしていた時のことです。

私が画面越しに仕様の調整を指示すると、現地のエンジニアはすぐさま最新のAIを叩きました。わずか数秒。

AIが吐き出した数百行のコードを、彼は迷いなくスクロールし、こう言いました。

「あ、このAIのコード、典型的なN+1問題を起こしてますね。あと例外時のロールバック処理も漏れてます」

そして、一瞬でコードを最適化して見せたのです。

その淀みのない動作をモニター越しに見て、私は背筋が凍るような思いと共に、一つのことを確信しました。

「ああ、日本の『3次請けSES』は、もう終わるな」と。

本記事では、月200時間労働のブラックなSESを脱出した私が、今の時代にエンジニアが市場価値を爆増させるための「ある1つのスキル」について解説します。

かつて「いつかはスキルを身につけて自由になるんだ」と信じてコードを書いていた頃の自分に、この光景を見せてやりたい。

AIの進化は、私たちが想像していた「効率化」の域を完全に超え、エンジニアの存在意義そのものを再定義してしまったのです。


目次

スキルシートの嘘が通用しなくなった日

SES業界で働いている人なら、誰もが一度は「スキルシートの盛り」を目にしたことがあるはずです。

私が前職で新人教育や受託開発を担当していた頃、送られてくるエンジニアの経歴書を見ては、違和感を拭えませんでした。

3年の経験があると書かれていても、実際に現場に入れば、基本的なデバッグすらおぼつかない。しかし、当時はそれでも「人手」が必要だったから、業界は回っていました。

現場の生々しい記憶: SES企業の本音を言えば、「現場に入れてしまえばこっちのもの」という空気がありました。しかし、2026年の今、その不透明なビジネスモデルは限界を迎えています。

AIには経歴詐称がありません。正確なプロンプトさえ与えれば、どんな「自称ベテラン」よりも美しく、安全なコードを瞬時に出力します。

外から不透明な人材を高い単価で呼ぶよりも、AIに課金し、それを使いこなす最小単位のチームで動く方が、経営合理性は圧倒的に高いのです。


2026年、市場価値を3倍にする「審美眼」の正体

では、私たち人間は何で価値を示すべきなのか。

ベトナムの若手エンジニアたちが教えてくれた答えは、「実装力」ではなく「審美眼」でした。

AIが生成したコードが、ビジネスの文脈において正しいか。セキュリティを担保しているか。そして、1年後のメンテナンスに耐えうるか。

これを見抜く力は、AIには代替できません。

求められるスキルのパラダイムシフト

  • 記述する力(Writing): AIが担当。人間が担う価値はゼロに近づく。
  • 読み解く力(Reading): 他人のコードの欠陥(N+1問題やメモリーリークなど)を即座に見抜く「審美眼」。
  • 接続する力(Connecting): ビジネス要件とAI出力を、齟齬なく繋ぎ合わせる力。

今の現場で「コードを書くこと」だけに没頭している人は、今すぐその手を止めてください。

あなたが今書いているそのコードは、数秒後にはAIが「もっと安く、もっと速く」生成できるものかもしれないのです。


多重下請けの「伝言ゲーム」で消耗するリスク

私がSESを離れ、自社社員や直契約のオフショア体制にこだわっている最大の理由は、**「情報の解像度」**にあります。

3次請け、4次請けの現場では、業務改善を提案しても、それは何層ものフィルターを通る「伝言ゲーム」になります。

「あっちの会社の調整が……」「契約の範囲外で……」 そんな言い訳を繰り返している間に、世界はAIで10倍のスピードで進化していきます。

ベトナムとの直契約なら、朝にオンラインで話した課題が昼にはプロトタイプになり、夕方には検証が始まります。

このスピード感、この手触り感こそが、エンジニアとしての本来の楽しさであり、自由への近道だと私は気づきました。


結論:未経験者こそ「泥船のSES」には乗るな

かつては「未経験ならまずはSESで修行」が定石でした。しかし、今の私の答えは違います。

もしあなたが「自由な生活」を目指すなら、最初から「自社開発」または「エンド直請け」の会社を目指すべきです。

なぜなら、AIによる自動化の波を一番に受けるのは、末端の単純作業からだからです。

下請け構造の末端にいる限り、あなたは「AIに置き換えやすい作業員」として扱われ、審美眼を養う機会すら奪われかねません。

2026年のキャリア戦略

  1. 「自社プロダクト」を持つ企業を探す: AIをツールとして使い倒し、価値を生む側に回る。
  2. 「直請け」にこだわる: 顧客と直接話し、AIには分からない「感情」や「隠れたニーズ」を汲み取る。
  3. 場所を選ばないスキルを磨く: 外部の成長著しい環境と繋がり、視点をグローバルに広げる。

最後に:自由は「仕組み」の先にある

私は前職のブラックな環境を抜け出し、ITの知見を武器に、今は日本にいながらベトナムの熱気に触れて仕事をしています。

あの時、伝言ゲームの一部でしかなかった自分を捨て、自らの意思で「現場を直接コントロールできる環境」へ飛び出して本当に良かった。

AIは敵ではありません。あなたの「審美眼」を拡張してくれる最強の相棒です。

でも、その相棒を使いこなすためには、あなた自身が「思考を停止しない場所」にいなければならないのです。

あなたは今日、AIが数秒で書けるコードに何時間かけましたか?


編集後記:モニター越しの熱気

この記事を書き終えた今、画面の向こう側で絶えずアップデートを続けるベトナムチームの熱気を思い出しています。日本からリモートで繋ぐ彼らのスピード感に触れるたび、かつて自分が消耗していた「古き良き(しかし非効率な)開発慣習」が、いかに遠い世界の出来事だったかを痛感します。さあ、あなたも一歩、外の世界へ。

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