友人に連れられたフエ「コンヘン」、店名を知らないまま食べた本場ブンヘン

ホーチミンへの出張のついでに、少し足を延ばしてフエまで行ってきました。案内してくれたのは、前職でオフショア開発を一緒にしていた現地の友人です。「インスタで見て気になっていた店がある」というので、閉店間際の時間帯にもかかわらず連れて行ってもらったのが、フエ名物「ブンヘン」でした。食べている最中は店名を意識していなかったのですが、後から場所を調べ直したところ、フエでは知らない人がいないほどの老舗「Cơm Hến Hoa Đông」だったことが分かりました。その日の記録を残しておきます。

目次

フエ名物「ヘン」料理の聖地、コンヘンとは

案内された場所は、フエ市街を流れるフーン川(香江)に浮かぶ小さな中州「コンヘン(Cồn Hến)」の一角でした。堆積した土砂によって形成されたこの中州は、18世紀前半、阮朝(グエン朝)フック・コアット公の時代に、ある人物がここに小屋を建てて「ヘン(hến)」という小さな二枚貝を獲る仕事を始めたのが始まりと伝えられています。以来、貝漁を生業とする集落として発展し、その貝を使った「コムヘン(ご飯)」「ブンヘン(麺)」がフエを代表する郷土料理として定着したそうです。

友人いわく、コンヘン周辺には昔ながらの食堂から新しくできた店まで、ヘン料理を出す店が路地に何軒も並んでいるとのことでした。今回訪れた「Cơm Hến Hoa Đông」も、そんなコンヘンの中の一軒です。創業から36年以上続く老舗で、地元客はもちろん観光客からも支持を集めている、この一帯を代表する存在とのことでした。

器に山盛りのヘン、ピーナッツ、カリカリの豚皮

運ばれてきたのは、細い米麺(ブン)の上に、茹でて炒めた小さなヘン貝、刻んだパクチー、香ばしく炒った落花生、そしてカリカリに揚げた豚皮が山盛りにのった一杯でした。

見た目のインパクトが強かったのが、丸まった形で揚がっている豚皮です。現地では「da heo chiên」などと呼ばれる、豚の皮を素揚げしてパリパリに膨らませた一品で、噛むとサクッとした軽い食感とともに香ばしさが広がります。ヘン貝自体はニンニクや魚醤(ヌクマム)で炒められていて、小粒ながらしっかりと旨味が凝縮されていました。ここに、貝を茹でた際に出る出汁、いわゆる「ヌックヘン」が別の器で添えられます。

友人に教わった食べ方は、まず麺・ヘン貝・ハーブをよくかき混ぜてある程度食べ進めてから、途中でこの出汁を注ぐというものでした。最初から全部を汁物にしてしまうのではなく、半分ほど「和え麺」として味わってから、後半をスープ仕立てで楽しむという二段構えです。エンジニア視点で例えるなら、同じ食材という「リソース」を、途中で構成(汁あり/汁なし)を切り替えて2種類の体験として使い切る、無駄のない設計だと感じました。お好みでライムや唐辛子、エビの発酵調味料「マムルオック」を加えると、味の輪郭がさらにはっきりします。

閉店間際、外のテーブルで食べた理由

店に着いたのは、営業終了が近い時間帯でした。店内はすでに清掃が始まっていて、テーブルや椅子が片付けられている最中だったため、私たちは店の外に出されたテーブルで食事をすることになりました。店構え自体は屋内・屋外ともにかなり広く、普段であれば大人数でも余裕を持って座れそうな造りでしたが、この日はそのスペースの一部だけを使わせてもらった格好です。

閉店間際に飛び込みで訪れたにもかかわらず、外のテーブルでも快く料理を出してもらえたことに、地元密着のローカル食堂らしい懐の深さを感じました。友人がインスタグラムで気になっていたというのも納得の、記憶に残る一杯でした。

【Tips】コンヘンでヘン料理を食べるときに気づいたこと

現地の友人に案内してもらったからこそ分かった、次に訪れる人の参考になりそうなポイントをまとめておきます。

実際に行って気づいたこと

  • コンヘン周辺にはヘン料理の店が密集しており、どこも似たような料理を出すため、店名を意識してメモしておくと後で振り返りやすい
  • 麺(ブンヘン)と混ぜ具材はまず和えて食べ、途中で貝の茹で汁を注ぐと、一杯で2つの食感・味わいを楽しめる
  • 閉店間際の訪問でも対応してもらえることがあるが、営業時間には余裕を持って訪れるのが安心
  • ライム・唐辛子・マムルオック(エビの発酵調味料)は味の調整用に添えられることが多いので、少しずつ加えて好みの濃さに調整するのがおすすめ
  • 現地の友人や知人がいる場合、SNSで見つけた「気になっている店」に連れて行ってもらうと、ガイドブックには載らない一軒に出会えることがある

店舗情報・アクセス

後日調べて分かった、今回訪れたお店の情報です。

  • 店舗名: Cơm Hến Hoa Đông(コムヘン・ホア・ドン)
  • 住所: 64 Kiệt 7 Ưng Bình, Phường Vỹ Dạ, Thành phố Huế, Việt Nam(Google マップのPlus Code: FHHV+PC Vy Da, トゥアティエンフエ)
  • 電話番号: 0234 3848 359
  • 営業時間: 7:15〜21:30(私たちが訪れたのは、この閉店時刻が迫ったタイミングでした)
  • ※住所・営業時間は2026年8月時点でネット上に掲載されていた情報です。行政区画の名称変更などで表記が変わる場合があるため、訪問前に最新情報のご確認をおすすめします。
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