ハノイ観光を調べていると、必ずと言っていいほど出てくるのが「トレインストリート」ではないでしょうか。民家とカフェのすぐ横を本物の列車が走り抜ける、あの写真です。ただ、実際に行こうとすると「どこにあるの?」「何時に来るの?」「そもそも今も入れるの?」と、意外と分からないことが多いものです。
私は2025年にハノイを訪れた際、トレインストリートを2か所歩いてきました。にぎやかな旧市街側には昼と夜の2回、落ち着いたレズアン通り側には昼に1回。夜には目の前を列車が通過する瞬間にも立ち会えました。正直に言うと、思っていたよりもずっと近く、手を伸ばせば当たるくらいの距離でした。
ハノイのエリアや街歩きの下調べには、ガイドブックが1冊手元にあると何かと便利です。
夜の旧市街側、列車が来る瞬間
トレインストリートで一番有名なのが、旧市街側(チャンフー〜フンフン通り周辺)の区間です。夜になると線路の両側に並ぶカフェが電飾でライトアップされ、頭上にはベトナム国旗がずらり。線路沿いの椅子には観光客がぎっしり座っていて、ちょっとしたお祭りのような雰囲気です。

列車が近づいてくると、まずカフェの店員さんが動きます。線路の近くにいる人に、手振りで「下がって」と合図してくれます。その間にも、遠くに見えていた列車のライトがどんどん大きくなってきます。

そして、オレンジ色の機関車が目の前に。

壁際に立っていても、車体との距離はまさに手を伸ばせば当たるくらい。機関車のあとに客車が延々と続き、通り過ぎるまで1分ほど、ずっと目の前を壁のように流れていきます。システムの世界なら、本番環境のすぐ横で人が普通にお茶をしているような状態で、安全マージンという概念がどこかへ行ってしまったような光景でした。
その瞬間を撮った動画は、YouTubeショートにまとめています。
最後の車両が通り過ぎると、線路沿いはまたいつものカフェ通りに戻ります。さっきまで目の前を列車が走っていたとは思えない切り替わりの早さも、ハノイらしい日常の一コマです。
昼と夕方の旧市街側は、まったく別の顔
同じ旧市街側でも、昼間は印象ががらりと変わります。ピンクの外壁と造花で飾られたカフェ、頭上を埋め尽くす国旗。人通りは夜よりずっと少なく、のんびりした時間が流れていました。

夕方になると少しずつお客さんが増え始め、「THE TRAIN 1881」のネオン看板にも明かりが入ります。空が暗くなるにつれて電飾が映えてきて、昼とも夜とも違う雰囲気の写真が撮れる時間帯です。



線路沿いのカフェで、ビールとブラックコーヒー
トレインストリートでは、カフェで何か1杯頼んで座るのが基本です。私が入ったお店では、線路のすぐ横のテーブルでベトナムビールの「BIA VIỆT」を注文しました。メニューを見ると、BIA VIỆTが40,000ドン、333やハノイ、サイゴン、ハイネケンなどは50,000〜60,000ドンほどでした。

同じお店でアイスのブラックコーヒーも頼みました。コーヒーメニューはブラックコーヒーとミルクコーヒーが50,000ドン、エッグコーヒーやココナッツコーヒーが60,000ドン。普段からブラック派なので、甘いベトナムコーヒーより、こういうシンプルな1杯がうれしいところです。


ローカルの屋台に比べると割高ですが、「線路の真横の席代」込みと考えれば納得できる価格です。夜は別のお店で、その名もズバリの「HANOI」ビールも飲みました。ハノイの線路沿いでハノイビール、というのもこの場所ならではの組み合わせです。

※価格は2025年の訪問時に店内メニューで確認したものです。お店によって異なり、変更される場合もあります。
記念に、ビールの王冠を列車にひいてもらう
トレインストリートでぜひやってほしいのが、飲み終えたビールの王冠を線路に置いて、列車にひいてもらうことです。私もBIA VIỆTの王冠を自分で線路に置いて、列車にひいてもらいました。
実はこの遊び、旧市街側に1回目に行ったときは知りませんでした。教えてくれたのは、たまたま隣の席に座っていたお客さんです。旅先でこういう小さなやりとりが生まれるのも、トレインストリートの楽しさだと思います。お店によっては、店員さんがやり方を教えてくれたり、代わりに置いてくれたりすることもあります。
通過後に拾ってみると、王冠はギザギザがなくなって、ぺったんこの円盤に。赤いロゴは擦れてかすれ、縁は少し波打っていて、さっき目の前を通った列車の重さがそのまま刻まれているようでした。夜に飲んだHANOIビールの王冠も、同じように平たくなって手元に残っています。

お土産屋さんで買うものとは違い、自分が飲んだビールの、自分が見送った列車の跡が残る、世界に1枚だけの記念品です。かさばらないので、持ち帰るのも簡単です。
もう1か所、ハノイ駅南側のレズアン通り
2か所目は、ハノイ駅の南側、レズアン(Lê Duẩn)通り沿いの区間です。私が訪れたのは昼間でしたが、旧市街側とは対照的に、線路沿いにはオレンジ色の椅子がたたまれて並び、歩いている人もまばら。「Coffee 222 Train Street」の看板とブーゲンビリアの花が印象的な、静かな場所でした。

人混みがないぶん、線路をまっすぐ見通すような写真がゆっくり撮れます。にぎわいを楽しむなら旧市街側、静かに線路のある風景を味わうならレズアン通り側、と目的で選び分けるのがよさそうです。

【Tips】トレインストリートに行く前に知っておきたいこと
実際に行って分かったことと、2026年時点の注意点
- 列車を見たいなら夜がおすすめ。通過時刻の目安は図解のとおりですが、よく変わるので、席に着いたらカフェの店員さんに「次は何時?」と聞くのが確実
- 列車が近づいたら、店員さんの指示にすぐ従って壁際へ。本当に手を伸ばせば当たる距離なので、線路の上での撮影は絶対にNG
- 2025年3月以降、ハノイ市はツアー会社に対してトレインストリートへのツアー催行を控えるよう求めていて、旧市街側では入口に警備がいることもあると言われています。個人ならカフェで1杯頼んで座る形が基本
- 王冠ひきのやり方が分からなければ、店員さんに聞いてみるのが早い。お店によっては教えてくれたり、代わりに置いてくれたりする
- 王冠を線路に置くのは、列車が来る前に。列車が近づいてからは線路に近づかず、通過後も店員さんの「もう大丈夫」を待ってから拾う
- 写真なら夕暮れ時が狙い目。昼の静けさから夜のにぎわいへ変わっていく様子も楽しめる
※トレインストリートの立ち入り状況や列車の時刻は、2026年5〜7月時点で公開されている海外の旅行サイトの情報をもとにしています。状況は変わりやすいため、訪問前に最新情報を確認することをおすすめします。
まとめ
トレインストリートは「写真で見たことがある」だけで終わらせるには、もったいない場所でした。列車が来る前の店員さんの慌ただしい動き、迫ってくるライト、手を伸ばせば当たりそうな車体の迫力。これはその場にいないと味わえません。
ハノイの旧市街に泊まるなら、夜にふらっと歩いて行ける距離です。ビールかコーヒーを1杯頼んで、列車が来るのを待つ時間も含めて楽しんでみてください。飲み終えたら、王冠を記念にひいてもらうのもお忘れなく。次にハノイへ行く人の参考になればうれしいです。
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