マンガ版エッセンシャル思考で「やらないこと」を決める

当ページのリンクには広告が含まれています。

「頼まれると断れず、気づけば自分のやるべき仕事が後回しになっている」

——真面目に仕事をしている人ほど、こんな状態に心当たりがあるのではないでしょうか。

私はもともとエンジニアで、いまはPMとして営業支援や要件定義を担当しています。PMの仕事は「調整役」の側面が強く、確認の依頼、急ぎの相談、念のための会議と、毎日いろいろなものが飛んできます。どれも断る理由が見つからないので引き受けていくと、本来いちばん時間をかけるべき仕事に手が回らなくなる。

そんな状況を見直すきっかけになったのが、『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』でした。ベストセラー『エッセンシャル思考』のエッセンスを、ストーリー仕立てのマンガで学べる一冊です。今回は、読んでみて特に効いた「やらないことを決める」という考え方と、マンガ版ならではの読みやすさを中心に紹介します。

目次

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』とは? 基本情報と特徴

  • 著者:グレッグ・マキューン/訳:高橋璃子
  • シナリオ:星井博文/作画:サノマリナ
  • 出版社:かんき出版
  • 発売:2017年3月
  • ページ数:176ページ(単行本)
  • 価格:単行本1,430円(税込)※2026年10月時点。電子書籍版もあり、Kindle版はセール等で価格が変わることがあるため購入前の確認がおすすめ
  • 内容:原作『エッセンシャル思考』の考え方を、「見極める」「捨てる」「仕組み化する」という流れに沿ってマンガで解説

物語の主人公は、頼まれごとを断らずに何でも引き受ける、まじめな小学校教師の貴代。学年主任に抜擢されたことで仕事を抱え込み、行き詰まってしまいます。そこへ再会した幼なじみの前沢塁から、「99%の無駄を捨てて、本当に大事な1%に集中する」というエッセンシャル思考を教わっていく、という展開です。

要するに、「より少なく、しかしより良く」という原作の核になる考え方を、1人の主人公の変化を追いながら体感できる入門書です。

エッセンシャル思考の3ステップ(見極める・捨てる・仕組み化する)をPMの仕事に置き換えた図解

PM視点で効いた3つのポイント

1. 「やらないこと」を決めるのが本当の優先順位づけ

一番大きかったのがこの視点です。優先順位というと「どれから先にやるか」の並べ替えを考えがちですが、本書が求めているのは並べ替えではなく、重要でないものを「やらない」と決めることです。

PMの仕事に置き換えると、これはかなり耳が痛い話でした。目的がはっきりしない定例に惰性で出る、自分でなくても対応できる作業をつい巻き取る。一つひとつは小さくても、積み重なると要件の論点整理や、意思決定に必要な確認といった「PMにしかできない仕事」の時間を削っていきます。

システムで言えば、優先度の低いバッチ処理が本番サーバーのリソースを食いつぶし、肝心のオンライン処理が遅くなっている状態です。処理の順番を入れ替えるだけでは根本的に解決せず、不要なジョブを止めて初めてリソースが空く。「やらないこと」を決めるのは、そのジョブ停止に近い作業なんだと腹落ちしました。

2. 断ることは「わがまま」ではなく、本当に大事な仕事を守る手段

貴代がはまっていくのは、優秀で頑張る人ほど陥りやすい「成功のパラドックス」です。頑張って成果を出すと頼られ、頼られるほど仕事が増え、結果として一番大事なことに集中できなくなる。読んでいて、他人事とは思えませんでした。

本書では、上手に断る技術も扱われています。断ることを「相手に悪いこと」ではなく、自分が本当に貢献すべきことを守るための選択として捉え直せるのが、この本の良いところです。迷ったときに「90点に満たない選択肢は0点とみなす」という基準も紹介されていて、なんとなく引き受けてしまう場面で一度立ち止まる理由になります。

3. マンガだから、要点を短時間でつかめる

もう1つ実感したのが、マンガ版ならではの読みやすさです。原作の『エッセンシャル思考』は300ページを超えるボリュームがありますが、マンガ版は176ページで、各章のストーリーのあとに要点の解説が入る構成になっています。

ビジネス書は「読まなきゃ」と思いながら積んでしまいがちですが、ストーリーで主人公の変化を追う形なので、考え方がシーンとセットで頭に残ります。エンジニア的に言えば、仕様書を頭から読む前に、まず動くデモで全体像をつかむ感覚に近いです。

マンガ版ならではの物足りなさ

マンガ版はあくまで要点を絞った入門書なので、原作に比べると一つひとつの考え方の掘り下げは浅くなります。具体的な事例や細かい実践法までじっくり知りたい人には、物足りなく感じる部分もあるはずです。

また、主人公は小学校教師なので、職場の描写はビジネスの現場とは少し違います。私のようなPMや会社員がそのまま当てはめにくい場面もあるので、「自分の仕事ならどこに当たるか」を置き換えながら読むのがおすすめです。より深く学びたくなったら、原作に進む前提で読むのがちょうどいい距離感だと感じました。

【Tips】「やらないこと」を明日の仕事で決めるなら

いきなり大きな仕事を手放そうとせず、まずは小さく試すのがおすすめです。

【PMが今日から試せること】

  • 今週の予定とタスクを一度すべて書き出し、「自分でなくてもよいもの」に印をつける
  • 目的がはっきりしない定例は、議事録の確認だけで済ませられないか検討する
  • 依頼を受けたら即答せず、「本当に自分がやるべきか」を一度考えてから返事をする
  • 「やらないことリスト」を作り、週に一度見直す

まとめ:1,430円で「抱え込み体質」を見直すきっかけに

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』は、仕事を効率よくこなす本ではなく、そもそも何をやらないかを決めるための考え方を学べる本です。特に「優先順位とは、やらないことを決めること」という視点は、職種を問わず応用しやすいと感じました。

単行本1,430円(※2026年10月時点)で、抱え込みがちな働き方を見直す軸が、マンガで気軽に手に入ると考えれば、十分に元が取れる投資です。原作の厚さに尻込みしていた方や、頼まれごとを断れずに忙しさが続いている方は、まずはこのマンガ版から手に取ってみてください。

ブログランキング・にほんブログ村へ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次